ここはアリシハン城の端っこにある
名もない兵士達の詰め所。
予算の都合という名のエコ仕様なアイコンが
印象的な彼らは今日も今日とて、
世の不条理を風刺しつつも、
本作品の魅力をそれとなく遠回しに
語り明かすのであった。

「お疲れ～……つか暑ぃ……死ぬ。マジで返事がなくなってしまう……」

「うむ、お疲れ。いや、夏からのアピール力がハンパないな」

「冷夏予報とはなんだったんですかねぇ（困惑）」

「しかし久しく忘れていたが、このグダグダな雰囲気もいいものだな」

「ここ最近『第三部隊兵士詰所』だというのに、
お姉ちゃん達に乗っ取られまくってたからな」

「生きてるって素晴らしい」

「まさに一寸のモブにも五分の魂ですね」

「ＨＡＨＡＨＡＨＡＨＡ！！！」

「……って、どなた？」

「申し遅れました。私、魔王軍副官を務めております、
マグダレーナと申すモノ。以後よしなに」

「魔王軍……！？」

「……副官！？」

「知（痴）的丁寧語お姉ちゃん……だと！？」

「私だけ自己紹介がまだでしたのと、ここは不可侵域の
特別停戦地帯と聞き及びましたので、参上させて頂きました。
……あ、あとこちらツマラナイものですが夏のお中元です」

「あ、これは丁寧にどうも」

「これ粗茶ですがどうぞ」

「お付き合いを前提に罵ってください」

「いえ、現在Luxury内も最後のデバッグ追い込みで忙しいようですし、
適当なところでお暇いたします。アナタ達も職務を全うしてください」

「天使だ」

「いっそのこと魔王軍に転職したい」

「ウチの王女様の方がよっぽど魔王っぽい件について」

「ではさっそく、恒例のお便りの紹介からまいりましょうか」

「投稿者：がんばれがんばれ様、なつはよる様他
　メッセージ内容：
人気投票乙！まさかの一万票越えにびっくりしました。
　マスターアップまで応援してます！がんばってください！」

「ありがとうございます。皆さんの応援あって、
たくさんの票を頂けたことをお礼申し上げます」

「しかし、まさか１万票を超えるとはビックリだったな」

「ああ。スタッフ一同『もし１位が２ケタ票とかの
お通夜状態になったらどうしよう』とか戦々恐々としてたものな」

「CROSS ○VERネタはＮＧ」

「まあ、身を弁えずに１人１票縛りとかしてましたら、
その可能性も十分ありましたでしょうね」

「意外と毒舌！？　でもそこがいい！」

「なんにせよ、１万票も頂いたことは素直に嬉しいことです。
参加された皆さんに感謝いたしましょう。そして次のお便りですが……

　投稿者：m2k様
　メッセージ内容：
今回、甘やかしプレイが多そうですが、赤ちゃんプレイや
赤ちゃん言葉を多様するシーンはありますか？」

「むぅぅっ！？　赤ちゃんプレイ……確かに大事だな！」

「うむ！　はずせないな！」

「フッフッフ……！　だろうと思って、アリシハンのピンクの恥豚こと
ワイが、単身Luxuryに潜入して極秘映像を入手してきたでぇ！」

「うおおおおおおおぉぉっ！！！
　イリス様のママ呼称キタコレ！！！」

「ばばーん！！！　……というにはやっつけ感が酷いですが。
未公開ＣＧという意味では、それなりに価値があるかもしれませんね」

「デバッグ中にお邪魔して写メでパシャリや。
なお、上司にはナイショの模様」

「ムチャしやがって……」

「担当者が無職になったら我らが温かく迎えてやろう。
……温かいというには些かムリがある酷な職場環境ではあるが」

「フルプレートで炎天下だものね。死ぬしかないね」

「……おや、なにやらスタッフが慌ただしいようですね。
なにかあったのでしょうか」

「むぅ……ついに地獄のデバッグ作業の日々に、
心を折られる者が現れたか……」

「ゲーム開発会社の風物詩デスマーチだな。南ー無ー……」

「第三兵士詰所内でワイらと握手！」

「え？　死傷者が出たわけではない？　そうではなくて……」

「まさかのマスターアップ告知！
キタコレ！！！」

「あまりの唐突さにリアクションがしづらい件について」

「なんにしても、めでたいことには変わりありません。
これでユーザー様に安心して、発売日にお届けできますね」

「うむ！　これで我々の肩の荷もおりたというもの！
マスターアップ休暇！　いい響きではないか！」

「よーしオレ、これから町に繰り出して、
お姉ちゃんとお酒のんできちゃうぞー」

「わーい、夢が広がりんぐー」

「お喜びのところ済みませんが
『オマエタチニソノヨウナモノハナイ』と、あちらの方が」

「……………………」

「お約束ありがとうございます！！！」

ゴシャ！　ドゴ！　バキ！　グチャアッ！

兵士達はぜんめつしてしまった！

次週「おお、兵士達よ。
サービス残業から逃げ出すとは何事だ」
乞うご期待！