ここはアリシハン城の端っこにある
名もない兵士達の詰め所。
予算の都合という名のエコ仕様なアイコンが
印象的な彼らは今日も今日とて、
世の不条理を風刺しつつも、
本作品の魅力をそれとなく遠回しに
語り明かすのであった。


 

「ふいー、乙ー」

「お疲れさーん」

「いやー、この夏空の下、フルプレート装備はマジ暑ぃわ。
茹で上がるつーか、焼き上がる」

「これでも今年は冷夏という話だからな。
例年並みだったら、本気で鎧の表面で、目玉焼きが作れそうだ」

「……ビ○ウ。社畜になるってかなしいことなの……」

「申し訳ないが、ラブ&エロスをモットーとするラグジュアリー作品内で、
NTRとスク○ア3大悪女の話はNG」

「オレさ……あんときヒロインの名前……好きな子の名前にしてたからさ……あれ? 雨も降ってないのに視界が滲んでやがる……へへ、おかしいよな?」

 

「もういい! もういいんだ!
 Bーーーっ!!!」


 

「こういうときこそ、我々に届いたユーザー様からのお便りを読んで、
元気になろうではないか! ……む? どうしたのだC」

「サー! 残念ながら今週もまたお便りは0であります! サー!」

「なん……だと……?」

「いったいいつから、お便りが毎週ちゃんと届くと錯覚していた?」

「おかしい……まお生の時は、毎週もっとたくさん可愛い女の子から
『キャッキャウフフ』な、お便りが届いていたというのに」

「ううむ……いったい何がたりないんだろうな?」

「むぅ……肌色成分?」

「つまりワイらが一肌脱げば万事解決」

 

「SO・RE・DA!!!」


 

「オーッホッホッホ! 笑止! あまりにも笑止ですわーーー!」

「むぅ!? 何やつ!」

「あ! あそこだ! 城の上! ベランダの欄干に仁王立ちしてる!」

「どう見ても悪の総帥の登場シーンにしか見えない件について」

「オーッホッホッホ! 気品も経費のカケラも感じない哀れな民草よ!
 この妾が、ありがたーいお言葉を頂戴してあげるから、
そこで伏してお待ちなさいな!」

「……なにか言ってるな」

「うむ。遠くてイマイチ何言ってるのか不明だが。
……クソ、あと少しのところでパンツが見えそうで見えない」

「痴女かな?」

「まあ、どなたかは存ぜぬが、城内にいる方を無視するわけにはいかんし
(社内規約的に)……ここで素直に待機するか」

 

 

─── 30分経過 ───


 
 

「フフ、待たせたわね、下賤な者達よ。
お待ちかね、高貴で気品溢れるアリシハン国王女、
イザベラ・トロッケンベ-レンアウスレ-ゼ・フォン・シュペトレーゼが
満を持して颯爽と登場ですわ!」

「イ、イザベラ王女さま!?(まさか王女本人が登場するとは……!)」

「は、ははー! この度は、このような場所にご足労いただき、
恐縮至極!(つか、いくらなんでも満を持すぎじゃね?)」

「痴女かな?(痴女かな?)」

「誰が痴女ですってええええぇぇぇっ!?」

「お、王女様、落ち着いてください。
まずは深呼吸して。はい、ヒーヒーフー」

「ヒーヒーフー……ヒーヒーフー……って、
これラマーズ法じゃないですの!?」

「(……アホの子だ)」

「(……アホの子だ)」

「(オッパイもみたい)」

「この高貴な妾に対して、モブにあるまじき不遜な態度……
どうやら『アリシハン王室式お仕置き講座』を施す必要が
あるようですわね……!」

「ステイ! ステイっスよ王女様。いいんですか?
 カメラ回ってますよ、カメラ」

「アリシハンの至宝とも謳われる麗しくも気高い王女様がマジ切れとか、
国民総ドン引き間違いなしですぞ」

「……はっ!? ……コ、コホン。お初にお目にかかりますわ、
妾の名はイザベラ。この国の王女ですの。以後、よしなに♪」

「(……ちょろい)」

「(……ちょろい)」

「(オッパイもみたい)」

「それでアナタ達? なにやら、面白いことを話してましたわね?
 『冴えない、モテない、しょうもない』のないないづくしのアナタ達に、
どうすればお便りが届くのかと」

「ええ、まあ……(うむ、聞きしに勝る高慢さだな。
だがいいオッパイだ) 」

「なにか、良い方法ってありますかね?
(これが雇い主とか、ブラック臭はんぱねぇ。しかしナイスオッパイ)」

「イザベラ様が一肌脱いでくれるまさかの展開希望(オッパイもみたい)」

「はぁ? 冗談ありませんわ。なぜ高貴な妾が、
そのような下賤な真似をしなくちゃなりませんの。
そんなことしなくとも、こうして妾の尊い御姿を披露しただけで、
来週からドバドバファンレターが届くに決まってますわ!」

「(……アホでちょろい上に、イタイ子だ)」

「(アリシハン大丈夫か……)」

「(オッパイもみたい)」

「でも、確かにちょっとサービスが足りないかもしれませんわね。
いいでしょう。エルメ! エルメ早く来なさい!
 ほら早く! 後10秒! 9、8、7、2、1」

「エルメ? ふむ、可愛らしい名前ですな」

「王女様付きの可愛い侍女かな?」

「サラリとカウントダウンを飛ばす王女様マジ高慢」

「(ゼー! ゼー! ゼー!)」

 

「……………………」


 

 

「なんか知ってるゴッツイ人キターーー!!?」


 

「遅い! 遅いですわよエルメ!
 妾が呼んだら10秒以内に来なさいといつもいってるでしょう!?」

「(ペコペコペコ!)」

「フン、わかればいいのよ、わかれば」

「あの鬼の隊長が平謝りだと……!?」

「ていうか、隊長の名前、全然体を表してねぇ!?」

「ブタゴ○ラの本名が思いの外、萌えネームな感じと同じパターンやね」

「さて、それじゃあお待ちかねのサービスタイムだけど……」

「あ、あの……イザベラ王女様。
その、肝心な美少女ヒロインが見当たらないのですが」

「まさか……兵長のゴリマッチョなボディを披露すると?(困惑)」

「美少女の定義が壊れるんですがそれは」

「おーっほっほっほ! そんな誰特ショットなんてしませんわ!
 サービスといったら決まってますでしょう? 残業よ! 残業!」

 

(それはひょっとしてギャグで言ってるのか!?)


 

「お便りが来ないのなら、身体を張って貰ってらっしゃいな♪
 さあ、エルメ。連行なさい」

「コホー……コホー……コホー……」

「え……もしかして、またいつものオチ?」

「オレ……この残業が終わったら……積みゲー消化するんだ……」

「わぁいざんぎょう。ワイざんぎょうだいすきー(白目)」

 

 

ゴシャ! ドゴ! バキ! グチャアッ!


 
 
 

 

兵士達はぜんめつしてしまった!


 
 
 

 

次週「おお、兵士達よ。ネタが切れてしまうとは情けない」
乞うご期待!


 
 

「さあ、これで来週から、どしどしお便りが送られてきますわ♪
 おーっほっほっほ!」

「……………………(汗)」

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